2021.03.01
令和3年度「キャリアアップ助成金」の変更点について

「キャリアアップ助成金」は、非正規雇用労働者の方の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化などの取り組みを実施した事業主に対して助成金を支給する制度です。有期契約労働者(契約社員・パート・アルバイト)を正社員に転換することで助成の対象となるもので、中小企業にとっても申請しやすい助成金の一つです。
この度、令和3年4月1日以降に適用される新要件が公開されました。
その中から今回は正社員化コースの変更点をお伝えします。
令和3年4月1日以降に正社員に転換する場合や正社員化コースを利用する場合は以下の要件が適用されます。
■現行要件
正規雇用等へ転換等した際、転換等前の6か月と転換等後の6か月の賃金を比較して、
以下のアまたはイのいずれかが5%以上増額していること。
ア.基本給および定額で支給されている諸手当(賞与を除く)を含む賃金の総額
イ.基本給、定額で支給されている諸手当および賞与を含む賃金の総額
(転換後の基本給および定額で支給されている諸手当の合計額を、転換前と比較して低下させていないこと。)
■新要件
正規雇用等へ転換等した際、転換等前の6か月と転換等後の6か月の賃金(※)を比較して3%以上増額していること。
※ 基本給および定額で支給されている諸手当を含む賃金の総額であり、賞与は含めないこととします。
これまで賃金の増額要件として転換後に5%アップする必要がありましたが、3%アップでよくなったことでさらに利用しやすくなったと言えます。
しかし、賃金総額に賞与を合算することができなくなりました。
本助成金を利用しようと考えている場合、正社員転換前に賃金の設定をよく検討しないと要件を満たさなくなることもありますのでご注意ください。
助成金は、雇用保険料が原資となった返金不要のお金です。この機会に上手く活用されてみてはいかがでしょうか。
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